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忌まわしき廃屋

2019/ 02/ 26
                 

とある高校生5人組で、
地域で有名な心霊スポットに向かう事になりました。
それに着いていった、A君に起こった悲劇のお話です。

その心霊スポットというのも、
県境の山中にひっそりと佇む廃屋の平屋で、
そこに無数の霊魂が集まっているらしいと噂されている場所です。
ただ、その廃屋の場所は誰も把握しておらず、
そこはどういう施設で、どういう経緯があって廃屋になったのか、
全く誰も知らない、と続くような都市伝説的なオチの話でした。

兎にも角にも、有力とされるエリアまでバイクで向かい、
そのエリアにバイクを停めて、そこからガードレールを越えて、
歩いて廃屋を探し始めました。
先頭の奴が懐中電灯を持ち、先へ先へと歩いていくのに、
他の4人は付いていく形で捜索を始めました。
A君は最後尾にいて、急遽来れなくなった友達に、
実況という形でメールでやりとりをしながら歩いていました。

しばらく歩くと、妙に拓けた場所にたどり着きました。
おそらく、人間の手が加えられたであろうポイントでした。
たぶんここには例の廃屋があって、
今は取り壊されて無くなっているんだろうと推測した5人は、
そこで一気に興奮しました。
そしてA君も、友達に見つけた旨をメールで送ると、
友達も歓喜しました。

そんな矢先、A君の視界の端っこの方に、白い何かが見えました。
目を向けて見るも、そこには何もありません。
再び携帯に視線を戻し、メールを返信するとまた、
白い何かが視界の端を舞うのが見えました。
違和感を感じつつ、なるべく意識しないようにして、
その視界に揺らぐ白い物体の正体を考えました。
そんな事を考えつつ、視界の移動を繰り返していると、
ある事に気付いたのです。
その白い物体は物体などではなく、人の下半身に見えました。
それも、白いスカートをはいた女性のものです。

恐怖に煽られたA君は、他の4人に
「もう帰ろう、イヤな予感がする。」と促しました。
最初は冗談だと思っていたみんなも、A君の青ざめた顔を見て、
流石に危機に気付いたのか、帰ろうかと言うことになりました。
バイクまで戻り、二ケツで来ていた女の子を自分の後ろに乗せ、
全員で帰路に就きました。
女の子はA君を慰めるためか、日常の何気ない会話を持ちかけ、
気分を落ち着かせてくれました。

帰り際、よく集まっていたファミレスに入り、食事を取ることに。
A君は今になって、さっきの山の中で
「帰りたい」なんて言わなければ良かったと後悔しつつ、
場を盛り上げるためにも、
先程見た白いスカートの女について話しました。
聞いていた友達も頻りに怖がり、
みんなでいい肝試しになったと喜んでいました。
ただ、女の子だけはずっと俯き加減で、
何故か温度差があるように感じられました。

みんな自分たちの帰路に就き、自分も帰ろうと思い、
女の子に「送っていくよ」と声を掛けると、
「たぶん・・・帰らない方がいいと思うよ。」と返されました。
どういうワケか聞いてみると、真剣な顔で問いかけてきました。
「こんな話したくないけど、
話さないとまともに取り合ってくれないでしょ?
だから、ちゃんと真剣に聞いて。」
A君は頷き、話を聞きました。

おおまかに言われたのは、
当分、バイクには乗らない方が良い。
家に帰らない方がいいかもしれない。
もし知人に神社や寺院の関係者がいるなら、相談すべきだ。

そして、未だに忘れない台詞が吐かれました。

「私、肝試しに行きたくは無かった。
代打で呼ばれただけだから。
霊感がある分、良いことダメなことに分別が付くから、
世の中の触れちゃいけない事象も分かってる。
その事象に今日、A君は触れちゃったの。
帰り道の話もA君の為じゃなくて、自分が怖かったから。
見つかっちゃったんだよ、そいつに。
バックミラー見てた?
ずっと映ってたんだよ、A君が言ってた白いスカートの女。
それとさ・・・。」

女の子は視線をA君の足元に落とし、こう告げました。



「そいつ今ね、A君の足にしがみついて私の事ずっと睨んでるの。」


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