FC2ブログ

Article

        

雪と霜でツルツル

2018/ 10/ 06
                 

私は奥日光が好きで、ヒマな学生の時は気が向くとすぐ車で出かけていました。

あるクリスマスに、彼氏を連れて奥日光に行きました。
時期が時期なので、ありったけの防寒具で行っても耳がちぎれるほどの寒さでした。
金精峠は路面凍結で閉鎖されていたので、その手前の湯の湖で散歩に出ました。

湯の湖周辺は道が狭くて急な感じの3kmくらいのハイキングコースになってるのでよく歩きに行きます。

しかし雪と霜でツルツルで、周囲にも誰もいなかったので、数分もしないうちに「滑って危険だから引き帰そうか。
誰もいないから事故起こしても助けもこないし」
と二人で意見が一致して、引き返そうとしました。

と、その時突然、すぐ前を男女が歩いているのが見えました。
彼らは死角になっていたカーブから現れたようだったので、20mも離れてなかったと思います。

びっくりしたことに、彼らはかなりの軽装備でした。

男性は革靴で、スーツの上にトレンチコート。
女性は髪をアップにして、タイトなワンピースとハイヒール。
二人とも全身黒づくめ。

どう見ても銀座の街でデートしてるような格好で、普通にスタスタ歩いているんです。

あんな格好で歩ける人がいるなら大丈夫かなあ、と思った私は、
「あの人たちに追いつこうか。人がいれば安心だから」と散歩を続けることにしました。

ところがどんなに追っかけても追いつけない。
逆にどんどん距離が開いていきました。

その間、私たちは滑って湖に落ちそうになったり(3~4mの高さから)、凍った倒木を越えるために二人で力を合わせて登ったり降りたりと、
事故がなかったのが不思議なくらいの状態でした。
でも男女はずっと前を向いたまま、頭の位置も少しも変わらず歩いてた。

やっとの思いで一周したら、彼らの姿はどこにもなく、駐車場にもその途中のホテルのロビーにもそれらしい人がいませんでした。
もしすぐに車で出ていったとしても、金精峠側は閉鎖されているため、
中善寺湖方面に行かざるをえないはずで、見逃すわけもなかったんだけど。

結局は「プロの登山家のカップルがクリスマスに銀座でデートしてたが、
彼氏が突然奥日光に来たくなって、車で彼女を連れて来てしまった。
だけど彼女が怒ってしまい、会話がない状態で歩いてた。」
ということで私と彼氏は納得することにしましたが、釈然としない思い出です。



関連記事
                         
                                  

コメント